イラクの人質事件

イラクの日本人人質事件に対する、自分なりの結論がまとまったので書きます。
ただし、イラクで拘束監禁された皆さんにとっては未だ終らない事件であるということ、日本人にとって、これからも継続して考えなくてはいけないことだと、自分は認識しています。

イラクにて拘束された5人の方々の救出にあたって、まず日本政府がとった姿勢は「自衛隊撤退要求をうけいれない」だった。
その後にイラクの各方面へ働きかけ、アルジャジーラ放送を使っての犯人グループへの呼びかけ、イスラム聖職者教会のクベイシ師を通じての奪還といった一連の行動はとても評価できると思う。
できることを最大限にやってくれた、自分は当初「拘束された人たちは皆助からないのでは」と心配していたので、とても嬉しかったし、安心した。


しかし、さらにそのあと、「自己責任」の名のもとに「救出にかかった費用の一部を負担させるべきだ」という議論が始まった。
それに呼応して、やっとの思いで帰ってきた高遠さん今井さん郡山さんの3人に一部の日本人が空港で「自業自得」とかいたカードを突き付けていたり、彼等の自宅へ講議の手紙や電話が殺到したという。
凄く驚いた、正直こんなに「自己責任」を勘違いした人たちはいないと思う。


彼等が命をかけて危険な地域に入り、現地で各々とても重要なことをやっていたとは思わないのだろうか、その事をまず疑った。
そのうえで、「退避勧告がでているのに残るのはワガママだ」といえるのはなぜだろうか。
自分は「危険であってもなお、自分のできることをやるべきだ」という決断ができる人たちが、同じ国にいるという事を誇りに思う。彼等の行動はワガママだろうか。


「自己責任」とは彼等だけにあてはまる言葉じゃない。
当然、いまを生きる誰であっても常に自分の中にある言葉だ。


福田官房長官は拘束されていた5人の方々を指して「配慮が足りなかった」と批判した。さらに「多くの方々に迷惑をかけたことを自覚して欲しい」とさえいった。
このことばは福田官房長官だけでなく小泉首相や政治家の人たち多数から聞かれるようだ。
さらに「経費の負担」を迫るようなことを言い出す人たちもいる。
政府や与党内ですらこうだから、宮崎県知事が「国は民間人が行くことを自粛してくれと言っている。(五人の)志は高いと思うが、状況を十分勘案されるべきでないかと思う」


この事件にあたって政府は「邦人保護は政府の責務」といっておきながら、この対応はなんだろうか。


責務ををたすこと嫌がっている子供のような発言だと思う。
「迷惑だからやめてくれ、そんな仕事はやりたくない」と受け止められる。
政府にはいったり、各省庁へ入った人たちはそういった仕事が必ずあることを理解しているはずだ、そのうえで公の場でそんなことをいうのはワガママではないのか。
「自己責任」は貴方達にもあるぞと自分は言いたい。
大変な仕事であると思う、厳しい世界だと思う、だからこそ「迷惑」という言葉はとても悲しい。


現在、「経費負担」はそれぞれの知事達が当事者達にはさせない方向で話が進んでいるらしい。
結局話は、世界に生きるそれぞれの「自己責任」と言うところへ回帰していく。

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このページは、Yusuke Satoが2004年4月23日 11:33に書いたブログ記事です。

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