九龍シンフォニーのモノづくりの基本概念を『Synchronize』と呼ぼう。
『モノをつくる』ということは、制作物とそれが表現する主題を結合し、同一化(異形同題)することをいうのだと思う。
この場合の主題とは、音楽的なフレーズやメロディの構成ではなく、そのものの表すべきもの、明示されているいわゆる「Theme(テーマ)」のことである。九龍シンフォニーは主題が持っている世界に入り、あらゆる素材に触れ、観察し、香りを感じ、味わい、そして聴く。生き物が栄養を摂取するために、モノを食べるように主題を取り込むところから始まり、自身の中で取り込んだ主題を分解し、再構築する。
実体としては決して結びついていない「モノ」と「モノ」を結び付けることを言うのだ。