昨日の日曜日(28日)は、芸術身体研究所主催の「第五福竜丸になる」というワークショップの開催日。
自分は受付や掃除などで参加。10時に展示館について、中に入っていきなり現れる「第五福竜丸」そのときは感じなかった、この船の人生(いまはこれを歴史ではなく『人生』と言いたい)を、熱意を持って自分に語りかけてくださった局長さんに感謝します。
芸術身体研究所の飯田晃一さんが企画し、講師をつとめたこのワークショップで、そのカリキュラムには参加しなかったが、自分なりに「第五福竜丸になった」と感じられた。
第五福竜丸はまだ航海を続けている。
戦後すぐの厳しい規制の中で近海用の木造漁船として誕生し、遠洋漁業の解禁とともに改造されてマグロ漁船になり、ビキニ環礁に近づいたがために死の灰を浴び、事件の象徴となり、しかし災禍の印象から厄介払いに売られ、名前を変えて働き、老朽化して解体され、船の墓場に捨てられ、朽ちつつも救われ、修復され、現在はゴミを埋め立てた「夢の島」の上で、コンクリートの台座に固定されたまま平和の象徴として航行している。
こういったことを感じることは、普段の生活にいるととても難しい。展示館に足を運んだとしてもうまくつかめることは容易ではないと思う。
その突破口を今回開いてくれたのは飯田さんだ。
飯田さんは「これでひとだんらく」と言っているけど、ここでのワークショップは続けてほしいと思う。
展示館内には船体、展示館屋外にはそのエンジンが、低く唸っている。
自分はそれを吸い上げて、ギターを弾くことにした。
いつかあの船首で、それを響かせようと思う。
東京都立第五福竜丸展示館へ皆さんも言ってみると良いと思う。
じっくり見て、聴いて、それから夢の島を歩く。
昨日はとても清々しい風が吹いていた。